人が悪に堕ちるのは

一概に説明するのは難しいですが、知能が高い犯人が「退屈だから」という理由で凶悪犯罪を起こすケースは特にアメリカの犯罪史でよく見られます。

なぜ知能が高い人が退屈で犯罪を?

知能の高い犯罪者は、単純な動機(お金が欲しい、復讐したいなど)ではなく、「知的な挑戦」や「退屈しのぎ」という動機で犯罪を犯しやすい。

人間を「駒」や「道具」のように見る冷酷さを持ち合わせ、道徳観よりも「できるかどうか」の思考になりやすい(サイコパス傾向)。

「悪」になる原因は一つではなく、知能・環境・精神状態・社会的影響 など、さまざまな要素が関係しています。

タイプ動機・原因代表例
知能が高い・退屈知的好奇心・ゲーム感覚レオポルド&ローブ、ユナボマー
社会からの孤立・復讐心いじめ・無視・挫折コロンバイン高校事件、ジョーカー
虐待・家庭環境幼少期のトラウマエド・ゲイン、リチャード・ラミレス
精神疾患・先天的要因脳の異常・幻覚ジェフリー・ダーマー、チカチーロ
イデオロギー・宗教信念・大義オウム真理教、テロ組織

日本だと知能が高い人間が凶悪事件を起こすことがあまりない

全くないとは言いませんが、アメリカに比べたら少ない方です。

かつては個人的な理由ではなく、 思想や信念に基づいて凶悪犯罪を犯すケースもありました。特徴は個人の利益ではなく、「大義」や「復讐」として動くことが多く、洗脳極端な思想によって道徳の基準が変化しやすいからです。

犯罪を「正義」 だと信じて疑わないなど信者が教祖の命令に従い、大量殺人を実行します。

いわゆる、映画「ジョーカー」のように誰しもなる可能性はあります。

これには岡田斗司夫さんがとてもわかりやすい言語化をして解説していました。

主人公アーサーは貧困層の中で生きており、社会的な繋がりがほとんどなかった。昔母親の彼氏から暴力を受けたこともあった。彼は「障害者」なのである。

そのことから仕事もうまくいかず周囲の人々からも軽視され、嘲笑される存在として生きていた。

コメディアンを目指しているが誰にも評価されず才能も認められない。笑われるピエロとして過ごすしかなかった。アーサーは笑われるピエロとしてではなく笑われるコメディアンになりたかったはずなのだ。

突発的に笑ってしまう病気(情動障害)を持ち、感情表現が周囲とズレているというがあれは抑圧によって本音を押し殺しているから。

意図しない時に笑いが出てしまう。最後人を殺して笑うときにちゃんと解放されてああいう表情になっているのだ。本当に脳の障害ならこうなりにくい。心の底から笑っているシーンだ。笑いとは攻撃の裏返しでもある。

自分を守る為に笑うこともある

天国には微笑みがあって地獄には笑いが溢れているーーーなど何とも上手いことを言うなと思った。

基本的にいじめで加害者は嘲笑ったり、面白いから笑ったりする。被害者は自分を守る為に無理やり笑うことをする。お笑い芸人はちょっと悪意なことさえも笑いにして相方にツッコミを受けるのだが、その危険で面白い=笑いは幸せなことだけではなく、攻撃性のものにさえ使われることが出来る。

いじめと笑いの差は仲のいい関係性っていうのが成立してるかどうか。成立をしていればそれは許される笑いになるのだ。

成立をしていなければそれはいじめになってしまうのだ。

アーサーは知能が低く、友達がいなく、誰からも必要とされていません。これって、観た方の中でどれだけアーサーの生き方に心打たれたのだろうか?

映画を観てる時点で知能はあるが、日本には弱者男性という言葉が生まれた背景が根深い。

職場や社会で軽視され、誰からも必要とされないと感じる
人間関係が希薄で、恋愛や友人関係も上手くいかない

人間関係の悩み、家庭環境、仕事関係ーーーー心を開く関係性がいなく「笑われる」しか経験したことがない人が多いってことだ。コンプレックス、トラウマで人と上手く築けず、周りからほっとかられ、気持ち悪がられる。

この生き方に、感化してしまう人が続々といただろう。

アーサーは知能が低いのもあり、コメディアンとして成功しようとするが才能がないためただ笑われるだけ。コメディアンになれないのだ。

怒りや悲しみを適切に表現できず、最終的に暴力的な行動に至った。何故ならいじめる側になれば自分が笑うことに回れるからだ。社会をいじめる側になったのだ。

「恐れられる」ことでしか自己を確立できないようになってしまった

物語の中で、社会に受け入れられないアーサーは「恐怖」を与えることでようやく注目されるようになる。

煽り運転や女性の肩に故意にぶつけてくる男の話はほとんど嫌な奴が多くもちろん駄目だが、それに報道された時にネットの人たちはここぞとばかり叩くにはある心理があると述べた。

過剰に叩く人たちはリンチ的な晒しを行うのだが、あれはああいう人たちに対して恐怖心があるから。

そんな奴らが存在していては困るので、何とかみんなで潰そうとするのだ。みんなで共通の敵を叩くことで、連帯感や一体感を得る。

本当は直接こういう奴らをどうしたらいいのか対処法は知らないーーーー知らないけど、こういった方法で「自分と関係ないところでいなくなってくれ」とやるんですね。他人の不幸を見て安心したり、自分の優位性を確認したりする心理(シャーデンフロイデ)に基づいている。

話を戻すが、アーサーのような人物は誰からも嫌われたり疎まれていると、誰かに近づいても無視か逃げられるか笑われるしかないのが現実だ。何故かというか、こう・・・雰囲気からして避けられてしまうんですね・・・。

だからこそ「劣ってるもの」が誰かに関係を持つには「恐れられる」しか方法はなかった。

なので昔の落ちこぼれが暴力団に入ったり、自分の言動で誰からも相手にされなくなったりすれば周りから恐れられることしか道に進むしか他がなくなる。

誰にも必要とされなかったことが「悪」へと変貌させた要因である。

ジョーカーは弱者と呼ばれる彼らにメッセージを送る

「我慢をしなくていいんだよ」

こういうメッセージをもらい劣っていた人たちが一斉に立ち上がっていく様子がとても怖く感じる。

加害者の視点で見ることがあるだろうが、これが逆転し、アーサーに関わる人間たちの様子を視点に入ることになる。

アーサーから黄色い看板を奪ったストリートチルドレン。(これを機にアーサーの転落が始まる)
彼らは様々な事情から学校に行っておらず、他の人間たちから排除されていることからアーサーに対して等、自分より弱い人間を見つけていじめるわけです。

意地悪してきたエリート社員も会社でこき使われている社畜なのである。

この世界では不当にいじめられた人間がまた自分より弱い立場の人間に同じようにいじめるだけーーー。そういうふうに成立をしている。

じゃあ最下位の人間たちはどうすればいいの?

この社会をぶっ壊して笑う側に回るしかない。

無敵の人間はこういった背景がある。

ラストは全て妄想だったのかどうかは定かではないが、ジョーカーのようにはならずとも自分の中にある恐怖心がこういった悪になる可能性は誰にでも起こり得る。

まぁ勿論一番は恐怖心がない知能が高いサイコパスが起こす犯罪だろうーーー。

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